ココナッツオイル

ココヤシの実、ココナッツは硬い皮で覆われており、種子の中身の大部分を胚乳が占めており、液状胚乳はココナッツジュースとしても利用されています。その胚乳を乾燥させたものをコプラと言い、細かく刻んだものがお菓子などにも利用されていますが、抽出・精製したものがココナッツオイルです。通常、油脂類の成分は主に脂肪酸で、炭素の数によって短鎖脂肪酸(低級脂肪酸)、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸(高級脂肪酸)に分類されます。紅花油やオリーブオイルのオレイン酸、コーン油や大豆油のリノール酸などは長鎖脂肪酸で、必須脂肪酸ではあるものの、摂取し過ぎると体脂肪になり脂肪組織や内臓などに蓄積します。ココナッツオイルはラウリン酸と呼ばれる中鎖脂肪酸が約半分、その他もミリスチン酸やパルミチン酸といった飽和脂肪酸を多く含んでいます。この中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸が腸管膜内で中性脂肪に再合成されるのに対して、溶解度が高いため腸管で吸収されやすく体脂肪になりにくい性質があります。また、脳や筋肉のエネルギー源であるブドウ糖が枯渇した際、体内に蓄えられている脂肪を分解しケトン体をエネルギー源として利用します。このブドウ糖の代替物質であるケトン体を、中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸の約10倍作ることができるともいわれています。このことから、脳が正常にブドウ糖を消費できないアルツハイマー病患者にケトン体を供給することができるため、ココナッツオイルが有効だという報告があります。ケトン体を作りやすいため「ダイエットにも効果的」と人気になりましたが、ブドウ糖が枯渇しないとケトン体は作られないので、ココナッツオイルの摂取だけでなく食事制限が必要になります。またココナッツオイルは他の油脂類と融点が異なり、20℃以下では固まってしまい、25℃まではクリーム状に、25℃以上で初めて液体になります。