複雑性悲嘆に抗うつ薬が効かないわけ

複雑性悲嘆の原因が脳の側坐核という場所のシステムの誤作動にあるならば、うつ病を疑って抗うつ薬を処方してもなかなか治らなくて当然と考えられます。

抗うつ薬はセロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質に作用する薬です。一方で側坐核で主に働くのはドーパミン。

作用する物質がそもそも違うのです。この複雑性悲嘆は、実際にどのくらいの割合で起こっているのでしょうか。

国内の調査では、全国の18歳以上の大人で、愛する人を亡くす体験をされた方のおおよそ15%~20%の人が、少なくとも一度は複雑性悲嘆に相当する症状にあったと推定されています。実態がようやくわかってきた今日、治療法を確立しようという模索も新たにはじまっています。